≪いがぐりな鯉≫ 家族三人で市民プールに行ってきました。 〇んたろうはまだ数日前にメダカ一級≠取得したばかりであり、とても泳ぎが達者とはいえません。 ということで、活動範囲は水深60センチのお子ちゃまプールに限定されます。 私は学生時代から使っているトランクス型の水着を穿き、水着のポケットにホットドックと、コーラを買うために小銭を入れておりました。 どうせ泳ぐことなく、水の中をゆらゆら歩くだけだから、落とすこともないだろうと考えていました。 週末のプールは水中眼鏡をつけたいがぐり坊主で溢れていました。 ひとしきりけ○たろうを遊ばせ、そろそろ喉も渇いてきたのでお茶にしようかとポケットを探りました。 小銭が一枚もありません。 プールの中央に目を向けると、真っ黒に日焼けした、大勢のいがぐり坊主たちが、ばしゃばしゃと水飛沫をあげながら群れておりました。何かの拍子に、小銭をぶちまけてしまったのでしょう。 折り重なって潜るいがぐり集団を見つめながら、池の鯉にえさをやったときを思い出しておりました。 被害額、980円也。 ≪第六感≫ 子供には大人に見えないものが見えるのでしょう。 けん○ろうも例外ではなく、まだ赤ん坊のときから、我々には何も見えない空間に話しかけたり、手を振ったりすることがありました。 先日、和室に置かれた洋ダンスの、下から三段目の引き出しを指差し、「パパ、あれは何のツノ?」と聞いてきました。 もちろん、ツノなんて見えません。 当然、我が家のタンスは牛が入るほど大きくありません。 「どれ?」と問いただしても、指差すだけです。本人も怖いらしく、近づこうともしません。 ある晩、私は飲み会でかなり酔っ払って家に帰りました。 深夜にも関わらず、かなりご機嫌さんだった私は玄関にて「パパのお帰りだじょー!」 と叫び、「○んたろう! お迎えに来なさい!」と叫び、「いやーミントの会のスタッフは別嬪ぞろいよのー」と日ごろ思っていることを言い。何せ、たいそうにぎやかに帰ってまいりました。 すると、けんた○うが家の奥から駆けてきました。 みーちゃんが寝室(和室)から顔を出し、しかめっ面をして「おかえり」と言いました。 けん○ろうの顔を見ると、なんだか怯えた顔をしております。 「どうしたー! け○たろう!」と聞くと。 消え入りそうな声で、「パパ、あれは何のツノ?」と言いました。 けん○ろうの人差し指はみーちゃんの頭を指差していました。 そのツノは、私にも見えました。 ≪若いころはパンツ≫ 筋力トレーニングの原点にスクワットというのがあります。 足を肩幅に開き、腰を保護するために皮ベルトをきつく巻き、バーベルを肩に背負ってしゃがむ運動です。 ぐっとお尻を出してしゃがみこむ。 最近、体の衰え著しい私は、膝を痛めたり、首を痛めたりすることしばしば。 昔よりずっと控えめにトレーニングしているつもりなんですが。 そういえば、衣服の価値がわからず、あまり金銭を投入しない私が、三枚千円のトランクスをやめ、一枚千円のスポーツパンツに替えたのはスクワットのせいです。 これまでにやぶいたトランクスは4枚。 お尻を突き出したときにね。破れるのです。盛大な音を立てて。いっきにやる気なくなるんだよなぁ。 ≪喝采≫ 先日、定時で職場を出た私は、マンションの裏手に自転車を止めておりました。 すると上から、「あー、変なおじさんがいる!」と子供の声。 顔を上げると、三階の廊下に小さな子供が数人、鈴なりになっておりました。 私は愛想笑いを浮かべて、手を振ってあげました。 するとまた、「ママ! 変なおじさんが手を振ってるよ!」 若いママさん連中が、顔を突き出しました。不振そうな表情が、私を見て、申し訳なさそうな笑みに変わります。 「○○ちゃん! そんなこといったらだめでしょ」一人のお母さんが子供たちに言いました。 飼い犬が散歩中に他の犬と喧嘩になったとき、びっくりした飼い主が、喧嘩をやめさせようとして犬の名前を呼ぶと、犬は応援されたものと勘違いして、なおいっそうほえるそうです。 同じ現象が、マンションの子供たちを支配しました。 「変なおじさんや!」 「変やでー」 「なんやろ、あのおひげー」 「変や」 「変や変や」 私は振り仰ぎ、無理矢理笑みを浮かべながら「おまえのかーさん、でべそ」と小さな声で言ってやりました。 ふん<`ヘ´>。 |