vol.1 
 この前、横目でテレビを見ながら、うどんをすすっておりました。
 少々、七味が不足かなと思い、手探りで七味のビンを掴み、うどんにふりかけました。
 バラバラと盛大な音を立てて、七味は机に散乱しました。
 バラバラ?
 どんぶりに目を落とすと、黄色い錠剤が天かすと一緒に浮いておりました。
 机の上と、足元にも錠剤が・・・・・・。
 手にはアリナミンの瓶が握られていました。
 瓶越しに、みー○○んの、あきれた顔が見えました。

vol.2
 この前、○○ちゃんが友達に道案内の電話をしていました。
「そうそう、郵便局の横の道を曲がったところに、ミクロおじさんの店があるでしょ・・・・・・」
 それは、りくろーおじさんの店だろうと、私は独り言をつぶやきました。

vol.3
 この前、会社の同僚二人に、夏祭りの縁日で金魚を8匹貰ってきたことを話しました。
 二人は、目玉がこぼれそうなほど驚きの顔で、私の話に食いついてきました。
 そうか、金魚がそんなに珍しいのかと思い、嬉々と話を続けました。
「でも、4匹死んでしまって、残り4匹なんだ」というと、
「で、死んだ4匹どうしたの?」と興奮した声で聞かれたので、
「新聞紙に包んで、ごみ箱に」というと、
「ペンギンをごみ箱に捨てたの!!」と大声で驚いていました。
 私はずっと、キンギョをペンギンと発音していたらしいのです。
 家に帰り、そのことをみー○○んに話すと、
「いつもキンギョに向かって、『ペンギンちゃんかわいいね』って言ってるで」と明るく言われました。
 そのときに、注意して欲しいと思いました。

vol.4
 随分前、白浜に海水浴にいった私たちは、夕暮れの物憂い時間を、旅館の畳の上で大の字になって過ごしていました。
 ふと横を見ると、バ○チンというあだ名の友人が、大きな口をぽっかりと開けて寝ておりました。
 これは興味深いと思った私は、急須に水を満たし、とぼとぼと口の中に水を注いでみました。
 バッタのように跳ね起きた彼は、鼻から水を噴出しながら、
「ドラえもんになった夢を見た」と言ったので、
「それは土左衛門だろう」と返しました。
怒っておりました。

vol.5
我が家には、夏祭りで金魚を手に入れて以来、お魚ブームがまき起こり、今や二十匹の熱帯魚が金魚と混泳しています。
 私は、今一熱帯魚に興味を示さないみ○ちゃんと、けん○○うに、夕飯時になると熱帯魚講座を開催しております。
 赤鼻の熱帯魚をお箸で指し示し「これはラミーノーズテトラ」
 水底を這う、愛嬌いっぱいの熱帯魚を指し示し「これはコリドラス。はい、復唱しなさい」といった具合に。
 十回ほどの講義を終え、○○たろうに、「これは?」と、赤鼻の熱帯魚を指差しました。
「ラピート!」電車フアンのけん○○うは、右手を突き上げ意気揚々と答えました。
 私はうなり声を一つ上げ、○ーちゃんに目を向けました。既に、金魚のように口をパクパクしております。
「これは!」少し期待を込めて聞きました。だって○○たろうは2歳。しかしみー○○んは3○歳ですから。
 目を白黒させたみ○ちゃんは「お……おさかな……」と答えました。
 もちろんその後、二人を正座させて補習を行いました。
 数日後、再試験です。
 今度はみ○ちゃんから。
「これは?」と、赤鼻の熱帯魚を指差しました。
「ラ……」
「うんうん」
「ラクトバチラス……キン」
 私の右眉が、まるで空気の足りない金魚のようにぴくぴくと釣りあがりました。
「これは!!」と水底を這う熱帯魚を指差しました。
「カ……」
「カ?」
「カリエスリスク……」
「……なんじゃそれ」
 みなさん。何とかしてください。


《4.5畳》
我が家には幽霊がいます。
困った私とみー○ゃんは、霊媒師を呼び、家を見てもらいました。
霊媒師曰く「いますねぇ。和室に四十人ほど」
私「ほ、ほんまかいな……」
みーちゃ○「ぎゅうぎゅうやん。狭いのに……」


《新米アクアリストと度素人》
「ややや! 金魚の面玉が飛び出ている! 和金のはずなのに、これじゃ出目金じゃん!」
 朝から機嫌よく換水(みずを換えること)をしていた私に衝撃が走りました。
 我が家の水槽には、祭りの縁日で手に入れた4匹の金魚と、その他大勢の熱帯魚がいます。そのうちの一匹の金魚が、どう見ても目が出ているのです。
「なんじゃこれは。病気かなぁ。しかし、そんな病気聞いたことないなぁ。もしかして何代か前のお父さんが出目金だったとか……」新米アクアリストの私は、そんなばかなことを考えていました。
 水槽の前でうんうん唸っていると、み○ちゃんとけんた○○が起きてきました。昨晩寝ついたのが遅かったせいか、二人ともはれぼったい目をしておりました。
 私が状況を説明すると、二人して水槽にへばりつき、興味深げに金魚の様子を眺めていました。
 すると、○―ちゃんが、まるで難問を解決したときの金田一少年のように大きく頷き、こういいました。
「昨日、ホーレンソウをあげたからやわ。絶対そう。栄養が強すぎて、めーでたんやわ」
「ポパイちゃうねんぞ……」
 秋の空を見ると、なぜか寂しくなると思いませんか。みなさん。


《新米アクアリストと度素人2》
 眼球突出症。金魚の病名がわかりました。原因は飼育水の悪化が考えられると本に記載されていたため、私は熱帯魚屋さんで試験試薬を購入し、水質チェックを行うことにしました。
アンモニアは許容範囲内。うんオッケー。亜硝酸は……。う〜ん、きわどいけど何とかオッケー。PH値は。ややや、弱アルカリ性だ。これはやばい。
 金魚や、同居しているカラシン系の熱帯魚は弱酸性が好みだそうです。なんとか、水質を弱酸性にする方法を考えねばなりません。
 私が熱帯魚の本を忙しげに見ていると、やっと最近、鯵とテトラの違いを理解しだしたみー○ゃんが、自信満々に言いました。
「お酢入れたらいいやん。そしたら酸性になるって」
「あほか。寿司とちゃうねんぞ」
「わかってるわ。米酢ちゃうで、もろみ酢やで」
「……それがどないしてん」
 明日からの補習課題は、『お鮨と熱帯魚の相関性について』です。


《その辺の豚》
 ある夜、大相撲を引退して久しい小錦さんが、テレビ画面に映っておりました。
みー○ゃんは、まるで巨大ガマ蛙のような彼の姿をじっとみつめていました。
そして、おもむろに「絶対1トンはあるよね」と言いました。
 確かに、彼からは人間離れした重量感を受けます。しかし、1トンは大げさです。それでは軽自動車よりも重いことになる。
「いくらなんでも、1トンはないよ。0.2トンぐらいじゃない」と私はいいました。
「そんなことあらへんわ。私でも0.2トンぐらいはあるで」
 私は目をむきました。確かに、最近随分でかくなったとは思っていたのですが……。
「いやいやしかし……」
愕然とする私に、みーち○んは言いました。
「絶対1トンはあるって。どう見てもその辺の豚より大きいもん」
 その辺の豚って、どの辺に豚がおるねんと思いながら、やっと理解できました。
 ○ーちゃんはずっと1トンの『トン』は『豚』と書くと思っていたのです。
 まぁ、よくあることです。


《夏の思い出》
 白浜の海水浴場にて、バ○チンがドラえもんになった翌日の話し(4より)。
 私達は物憂い午後を、民宿の一室で過ごしておりました。
 私は性懲りも無く、頭の上で腕を組んで、ゴーゴーと眠るバル○ンを見ていました。
 腋毛が薄いなと思いました。
 一緒に畳の横に転がっていた○ずはらという友人も、同じように感じたらしく、しげしげとバル○ンの貧疎な腋毛をみつめていました。
 そしておもむろに、百円ライターを取り出し、火をつけました。
 彼の目は、お預けを食らった飼い犬のように、少々血走っておりました。
 いくらなんでも、それはやり過ぎだ!
 と思った私は、首を左右に振って、彼を諌めました。

 そして、洗面台に走り、急須に水をたっぷり入れて戻ってきました。
 これで消火対策は万全です。
 自分の準備不足を恥たらしく、み○○らは少しはにかんだ笑みを浮かべました。そして、バルチ○の腋毛に火を放ちました。
 ちゅるちゅる……。
 腋毛は瞬時に燃えました。
 そのあまりにも早い燃えっぷりに感銘を受けた私達は、賛辞の眼差しでバル○○を見ました。
……2秒が過ぎ。
「あっち!」跳ね起きた○ルチンは、全力疾走で部屋を飛び出していきました。
友人思いの私は、慌てて急須を引っつかみ、彼の後を追いました。
彼が高校時代、短距離選手であり、100メートルを11秒で走ることを忘れていました。
彼のシルエットが、夕日に赤く染まった海岸に向かって小さくなっていきました。
 懐かしい、思い出です。


《変な名前》
 フィットネスクラブでスクワットを終え、顔から吹き出る汗を、タオルで拭いておりました。
 トレーナーがにこりと微笑み、私に話しかけてきました。
「タオルにマジックで何か書いてありますよ」
 箪笥のタオルの引き出しから持ってきたのですが、けん○○うの保育園に持っていくタオルと間違えたようです。
私は少し恥ずかしくなって、「はは、子供の名前ですよ」と答えました。
 トレーナーは鳩が豆鉄砲で打たれたような顔をしながら言いました。
「お子さん、変わった名前なんですね」
 け○○ろうって、そんなに珍しいかなと思い、タオルを見ると、「ぞうきん」と書かれていました。
 私は物凄く恥ずかしくなりました。
 タオルの引き出しには、タオルだけにしてほしいものです。


《浄水器》
新米アクアリストの私は、熱帯魚屋さんであれやこれやと質問しました。
私「水槽の水を替えると、ヤマトヌマエビが狂ったように泳ぎ回るんですよ。何が悪いのですかねぇ。ちゃんと水合わせしてるんですけど」
店員「もしかしたらお住まいの地域の水が悪いのかもしれません。浄水器ついていますか」
私「えぇ、つけていますよ。でも最近カートリッジ替えてないからなぁ」
店員「あぁ、カートリッジならおいていますよ」
 すごいなぁ。この熱帯魚屋さんは浄水器も扱っているのかと思い、店員さんの後について店の奥に行きました。
「家でお使いなのは、こちらの浄水器ですか?」と示された浄水器には、しっかり『熱帯魚用浄水器 29,800円』との名札がついていました。


≪滅び行く伝統技術≫
 初詣に家族三人で箕面の勝尾寺に行きました。すると、道端でサルが一匹、自動販売機を真剣な眼差しで見ておりました。
 怖がるけんた○○を後ろに庇い、ゆっくりと近づいてみると、サルの手には、しっかりと100円玉が握られていました。
 箕面のサルは、皆さんもご存知のとおり自動販売機で買い物ができることで有名ですから、コーヒーにしようか、ジュースにしようか迷っているのかなと思いました。
 案の定、サルは飛び上がると、見事に100円玉を投入口に入れました。そしてその後は、ジャンプを繰り返し、ボタンの乱れ打ちです。しかし、サルはコーヒーも、缶ジュースも手に入れることはできませんでした。
 缶ジュースの値段が100円から110円へと変わり、今では120円。さすがのサルも、まだ学習できていないのでしょうか。
 世知辛い世の中です。


《ホラー話》
 おら 蚊取り線香が好きだ
 あの 香りが何ともいえない
 あの 小さな赤い光も何とも言い難い
 
 昨日 押入れに蚊取り線香を見つけた
 夏の 忘れ物だ

 おら うれしくなって
 おら どうしても冬の蚊取り線香を見たくなって
 おら どうしても冬の蚊取り線香を嗅ぎたくなった
 
 だから 部屋の電気ば消した
 そして 窓を開けて部屋に冷たい空気さ入れた
 淀みが 部屋から押し出された

 風に 冬のにおいを感じたから
 力一杯 風を吸い込んで
それから 木綿糸に吊るした蚊取り線香に
 コンロから 火をつけた

 じりじり 音がして
 ひとすじ 白い煙が踊って
 赤い光玉 激しく光った

 知らなかったのさ
 二十度以下の気温で
 蚊取り線香に火をつけると
 時によっては 爆発するってことを

 箱の注意書きは
 よく読まねば
 おら そう思った